先日、富士市今泉で新築工事中の「本とウイスキーを猫と一緒に愉しむ家」が上棟しました。
そんな現場からワンポイント解説を。
木材どうしを緊結するのにボルトを使う箇所があります。このボルトは鉄製で、もちろん強度は高いのですが、鉄がゆえに「熱を伝えやすい」という弱点も併せ持っています。特に「羽子板ボルト」と呼ばれるものは、外周部の梁・桁を貫通してボルトの先端は室外側、もう一方は室内側という状態になります。
これは、断熱ゾーンを貫通していますので断熱層の中と外を熱が行き来する「熱橋(ヒートブリッジ)」になってしまうのです。
冬場、室内は暖かく外気は冷たい時、このボルトを伝って熱が逃げます。そして、ボルトは外気温並みに冷え、そこに室内の暖かく湿った空気が触れると「結露」を起こします。このボルトは鉄製ですので、これを繰り返すと錆びてきて強度低下にもつながります。
そこで私たちの現場ではこのボルトの外気側に発泡ウレタンを吹付けて断熱処理をしています。
この処理をするかどうかは断熱性能を表すUA値の計算には残念ながら反映されませんが、建物の快適性・耐久性を上げるためには必要な気配りだと思っています。
営業部 石川