先日ドライブがてら、森町にある小國神社に行ったところ、ちょうど『お屋根替え』の真っ最中。拝殿には木製の足場が組み上げられており、屋根を葺くのに使われている日本古来の伝統技法『檜皮葺(ひわだぶき)』についての特別展示もなされていました。
神社や仏閣の屋根に使われる工法には「茅葺き(かやぶき)」や「銅板葺き」等がありますが、御国神社は、檜皮、つまりヒノキの皮を用いて屋根を葺いています。
今回初めて知ったのですが、この檜皮葺に使われるヒノキの皮は、切り倒した木材から剥がすのではないということ。
原皮師(もとかわし)と呼ばれる技術者が、ヒノキを伐採することなく、植えられたままの状態で、樹齢100年以上のヒノキの根元部分にヘラを差し込み、下から上へ巾25センチ程度ごとに皮だけを採取するのだそうです。
外皮を剥いだ樹木は、約10年で皮が再生され、また採取できるようになるそうで、御国神社ではこの原皮を境内の御神木檜から採取しているとのこと。
これぞ、まさに地産地消、持続可能なSDGsのお手本のようだなぁと感想を持ちました。
この「檜皮葺」は日本唯一の伝統工法で、「檜皮採取」とともに、2020年12月「ユネスコ無形文化遺産」として登録されています。
建築工房わたなべでもSDGsに向けて取り組んでいます。その中の1つの活動として地元富士山麓の『富士ひのき』を主要構造材に用いることで、富士山麓の人工林の循環を行い、それを富士山の保全や治水につなげています。
(株)建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉泰敏