現在施工中の富士市今泉 A様邸「本とウィスキ-を猫と一緒に愉しむ」ですが、来月6日、7日に構造見学会を行います。
見えなくなってしまう構造部分を知っておくことは
非常に大事なことだと思います。
木の骨組み部分は見学会の時に見られますが、基礎のコンクリートの中は、その時には見られないので配筋の検査員の資格も持っている私が検査時にどのようなことに注意して検査しているかお伝えします。

基礎配筋:全景

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基礎配筋:内周部

 

写真でもお判りいただけると思いますが、複雑に組まれた鉄筋の組み方は構造計算に基づいて決められています。
まずは全体的にその構造図の通りに配筋されているか確認します。(主筋の径、本数、間隔等)

その次に将来点検用に人通口が図面通り設けられているかを確認します。
家の床下全体に行くことができることは長期優良住宅の維持管理の項目にも必要事項としてうたわれております。 

基礎配筋:外周部

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基礎配筋:耐圧版

 

そして、もう一つ大事なことは、鉄筋どうしが、きっちりと接続されているかということです。鉄筋は、運搬や作業性の関係からどうしても、つなぎ目ができてしまいます。そのつなぎ目で力の伝達が損なわれないように、鉄筋どうしを決められた「定着長さ」で重ねてつなげます。

その結果、その部分が弱くならずにしっかり力が伝達するようになるのです。これが「重ね継手」という工法です。ちなみに径がD19以上は「圧接継手」(鉄筋どうしに熱と圧力を加えてつなげる)というやり方になります。住宅ではほぼ使いません。

あと、大事なことは「かぶり」です。鉄筋と型枠の隙間、鉄筋と地面の隙間、鉄筋どうしの隙間、が規定通り開いているかを確認します。この隙間が少ないとコンクリートがうまく流し込まれなかったり、コンクリート内の鉄筋のサビの原因になったりします。このように鉄筋の「継ぎ手」や「かぶり」は見落とされがちになってしまいますが、しっかりとした基礎の強度を出すうえで非常に重要なことなのです。 

あと、余談ですが耐圧版の鉄筋の下にポリフィルムが敷いてあるのですが、写真で水滴がびっしりついているのがわかりますか?防湿フィルムと言って文字通り地面からの湿気を基礎の中に入れないようにするためのものなのですが、地面からの湿気って結構あるのですよね。
わずか0.1mmのフィルムですが地面からの湿気を防いでくれています。有ると無いでは床下の環境に大きく影響してくると思います。

見えないところですが、こんなことも非常に大事なことですよ。

ご案内:富士市今泉のA様邸「本とウィスキ-を猫と一緒に愉しむ」の構造見学会が、7月6日(土)・7日(日)にありますので、この基礎の上に建った建物を是非見ていただけたらと思います。お申込みは→こちら

建築部:新井隆元

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