「人生100年時代」の超長寿社会では、50歳を過ぎてもようやく折り返し点。退職後の楽しく充実したセカンドステージが始まるのもこれからです。その暮らしのベースとなるのが「住まい」。アクティブな高齢期の夢のある暮らしを実現し、更にその次の介護への備えをするのは今です。リフォームするか?建て替えるか?住み替えるか?選択肢は様々ですが、これからの暮らし方をしっかり見据え、明るいシニアライフを実現しましょう。
前回まででは、
→早めの備えが大切です。健康で元気な今のうちに決断を(判断する力、片付ける力、受け入れる力があるうちに!)早めにリフォームするメリット
→先延ばしにして今のまま住み続けると…将来のリスクが大きくなります
についてお届けしてきました。
今回からは、『高齢期の生活に適した、住まいの改修のガイドライン』についてお伝えしていきます。
高齢者の多くが自宅での生活の継続を望む一方で、ご自宅が高齢期の生活に適した住まいとしては性能が十分でない場合があります。では、早い時期でのリフォームで住まいの環境を改善するにはどのようにしたらよいのでしょうか?国土交通省が、高齢期の生活に適した住まいの改修のあり方について検討し、2019年3月にガイドラインを策定しています。
このガイドラインでは、高齢期を迎えるにあたってどのような住まいの備えが必要かを考えるためのチェックをすることができます。また、改修を行うことを決めている場合には、実施する改修内容の検討や施工業者と相談する際の参考資料としても活用できます。
では、ガイドラインに沿って、具体的に見ていきましょう!
ガイドラインの8つの配慮項目と改修する空間の関係
本ガイドラインでは、まず、改修する際に配慮すべきボイントについて8つの項目を提案しています。
改修でめざす4つの安心イメージ
次にこの配慮項目に基づく改修を実施することにより「高齢期の健康で快適な暮らしのための住まい」として4つの安心の実現をめざします。
①長く健康に暮らせる住まい
安全・安心で、身体的・経済的な負担が少なくなり、外出や家事などが便利に
②自立して自分らしく暮らせる住まい
外出、趣味、交流を楽しむなど豊かな高齢期のライフスタイルに応じた空間の確保
③介護期になっても暮らせる住まい
手すりの設置や福祉用具の使用など軽微な対応で暮らしを継続
④次世代に継承できる
良質な住まい住まいの長寿命化に対応し、子どもやお孫さんにとっても住みやすく
次回は、ガイドラインの「8つの配慮項目」ごとの改修のポイントを見ていきましょう
営業部 石川 定