2016年5月:【いますぐできる地震対策】
みなさまこんにちは、渡邉です。
いよいよ4月、寒かった冬も終わり、過ごしやすい季節になってきました。さて、4月1日いよいよ「電力小売全面自由化」が始まりました。これまでは、家庭や商店では地域ごとに決められた電力会社としか電気の契約を結ぶことができませんでした。
本年4月1日より全ての消費者が、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになったのです。今月号のひげ日記では新たに始まったこの「電力小売全面自由化」について資源エネルギー庁の資料などを元に書かせていただきたいと思います。
■基本は耐震補強
熊本大地震は2回に渡って最大震度7を記録しました。いずれも夜間に発生し、自宅で亡くなった人の多くは家屋の倒壊による圧死や窒息が原因と報告されています。鉄筋コンクリートの家でも、耐震性の低い建物は「倒れるものが多くなる」とされる震度7に備えるには、住宅の耐震化がもっとも効果的です。
しかし、場合によっては数百万円の費用かかることもあり、充分に進んでいないのが実情です。住まいの本格的な耐震補強ができなくても、最低限はやっておいた方が良いと思われる対策をご紹介させていただきます。
・「防災ベッド」の設置 ベッドの上をアーチ状に覆った鋼鉄製のフレームは、真上からの重さ10トンまで耐えられます。2時間程度で組み立てられ、20万円程度から設置可能です。
・家具の転倒防止 ホームセンターなどでよく見かける家具の転倒防止グッズの効果を発揮させるには設置の方法が重要です。家具を壁に固定するL字金物は、壁の下地のある所できちんと止めること。また突っ張り棒も、家具の手前ではなく壁側に設置しないと効果がなく、天井の強度も確認しておく必要があります。
・耐震ラッチの設置 キッチンの吊り戸棚などには地震の揺れを感知して開き扉を自動的にロックする「耐震ラッチ」の設置がおすすめです。扉の上部内側に取り付けるだけです。1個数百円からホームセンターなどで販売しています。
■日常備蓄
命が助かっても、被災直後には水や食料の不足が襲います。支援もなく、物を買えないことを想定して、家族全員の1週間分のメニュー表を作ると、必要な食材と量がリアルに見えてきます。最近は災害用に特別なものを用意するのではなく、普段から食料や日用品を少し多めに購入し、消費しながら蓄えておく「日常備蓄」という考え方も提案されています。
■インターネット回線の利用
NHKによると、益城町の家族は16日未明、就寝中にマグニチュード7.3の揺れに見舞われ、倒壊家屋に閉じ込められました。しかし、長男がスマートフォンを使いLINEで「いえのしたじきになりました!」と、メッセージ送信したことが救助につながりました。電話回線がダウンする中、LINEなどのSNSは、稼動を続けた。と伝えています。
電話はアンテナから中継局などを順にたどって通信しているため、経路の1つが破壊されたりデータが集中したりすると通信が行えなくなります。対してインターネットは、回線がクモの巣のように張られているため、1つがダメになっても他でカバーできます。LINEはグループトーク機能を使った回覧板。ツイッターとフェイスブックは、不特定多数に向けた拡散力が強い。使い分けが大事だということです。
しかし、ジャーナリストの安田浩一さんは「SNSはある局面では人の命を救うかもしれないが、情報をうのみにすることで自らを危機に追いやることにもなりかねない」と指摘しています。「出所が不明な情報は多くの場合、デマではないか、と疑ってかかる必要があります」と警鐘も鳴らしています。
■さいごに
「住まいは命の箱である」という弊社理念の元、地震などから、人を!家族を!財産を!守り抜く。それが、住宅に求められる最低限の基本性能である。私はそう考え、耐震性能にこだわり、今日まで家づくりを進めてきました。家づくりを考えている方には耐震等級1(建築基準法のレベル)や耐震等級2(長期優良住宅のレベル)ではなく、弊社標準基準である耐震等級3(最高等級の耐震性能)での家づくりを強くお勧めします。
さいごに、今回の地震で亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様、そのご家族、ご友人に心からお見舞い申し上げ、被災地の一日も早い復旧と復興を心よりお祈り申し上げます。
㈱建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉泰敏