2013年9月:【富士森林認証の家」制度創設】

このたび「富士森林認証の家」制度が始まり、8月9日に静岡県富士農林事務所にて弊社と弊社のお客様が第一号の認定を受けました。

■「富士森林認証の家」とは?

 富士地域(富士市・富士宮市)の適正な森林経営がなされている森林から生産された認証材で建築され、一定の基準を満たす住宅に対し、静岡県富士農林事務所長が「富士森林認証の家」として認定する制度です。工務店には「認定書」、お施主様には使用した認証材の㎥数とCO2削減量を記載した「感謝状」が贈られます。この制度は森林認証の普及啓発を図り、持続可能な森林経営を通じて富士山の環境保全などに貢献する事を目的としています。

■森林認証とは?

 森林認証は、独立した第三者機関が一定の基準等を基に、持続可能な森林経営が行われている森林を認証し、それらの森林から生産された木材・木材製品へラベルを貼り付けることにより、消費者の選択的な購買を通じて、持続可能な森林経営を支援する取り組みです。

 ラベリングした木材・木材製品の流通のために、流通に関与する者は消費者の手元に届くまでの各段階において、認証された森林からの木材・木材製品をそれ以外のものとは区別して取り扱う体制になっていることを認証されること(Chain of Custody認証:CoC認証)が必要です。

■SGEC森林認証とは

 弊社が取得している森林認証はSGEC(緑の循環認証会議)のCoC認証です。
これは、国際基準に沿って第三者機関が認定する日本の森林認証システムで、

 1 産地が明確になる。
   富士宮市の日本製紙北山社有林    (670ha)
 2 山から消費者に届けるすべての事業者が認証材使用の資格を取得している。
  日本製紙北山社有林(対象林)~富士ひのき加工協同組合(製材加工)~マルダイ(プレカット)
   ~弊社とすべての事業者が認証材使用の資格を所有しています。
 3 認証材にラベリング表示される。
   SGECのマークが全ての材に印字されて います。
 4 消費者に認証材の証明書が発行される
   森林認証システムの家」の証明書を発 行しています。
という大きな特徴があります。

 この制度を仲間の工務店10社とともに始めたのは今から4年以上前です。当時ヒノキを活用したSGECの認証取得は静岡県初ということで、新聞等でも大きく取り上げていただきました。その後、富士市で地場産ひのき材を使った住宅への助成制度(30万円)が始まり、そして今回、これまでの地道な活動とその意義が認められ「富士森林認証の家」制度で、静岡県富士農林事務所の後押しもいただけるようになったと考えています。

■森を守ることは地域と暮らしを守ること

 認証材を積極的に使うことにより、森では植林→伐採→木材活用→植林というサイクルが生まれます。森をまもることによって得られる効果は、省CO2だけではなく、水土保全、大気浄化などさまざまあります。

 今回の授与式には弊社の他3工務店も参加しましたが、全て富士山木造住宅協会森林認証材委員会で弊社と一緒に活動している仲間たちです。私たちは、森を守ることは地域を守り、暮らしを守ることだと考えて家造りを進めています。 静岡県初のこうした取組みを行って頂いた富士農林事務所長の塩坂さんと、こうした取組みを理解し家造りを任せていただいたお施主様に感謝です。

■さいごに

 家造りをお考えの方には環境負荷の小さな木造をお勧めします。そして可能なら適材適所で国産材さらには地域材の利用も検討されては如何でしょうか? 弊社では今後も地元の木を使った家造りを進め、地域の環境保全等に少しでも貢献できればと考えています。 10月5日には自然のふれあいの中で森林への関心を深め、その大切さを学びとる「木育」を目的とした「木こりツアー」を開催いたします。詳しくは弊社HPをご覧ください

それではまた来月、お会いしましょう。

授与式が終わり記念撮影
(向かって左が富士農林事務所長、真中がお施主様)

㈱建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉泰敏