2007年7月:【取材の舞台裏】

雑誌に掲載されている住宅ってとても素敵で、家の中も綺麗に片づいていて調度品もセンス良く、「すご~い!」って思いませんか?でも実際の撮影現場は結構バタバタしていて大変です。「炊飯器とポットどけて!」「カーペットとソファーいらない!」「あっ電話機も邪魔、はずして!」こんな風にカメラマン等の指示で荷物や家具を写真に写らないように、あっちに動かしたりこっちに動かしたりしています。カメラマン等の好みや雑誌のイメージによっても違うのでしょうが、あまり片づけすぎてしまうと生活感も無くなってしまうので、加減が難しそうです。

私も何度か雑誌の取材を受け撮影現場に立ち会った事がありますが、カメラマンのキャラクターで現場の雰囲気もかなり違います。ある時は、とても威厳のある芸術家風のカメラマンの時がありました。そのカメラマンはキャリアも長く、すごくキチッキチッとした話し方をする方でした。「御主人さん行儀悪いよ!足の裏が見えてるよ!」とか「コーヒーカップ傾きすぎ!こぼれちゃうよ!」お客様はこうした取材に慣れていない方がほとんどですので、怖い顔で、「はい、笑って!」なんて言われても、そんなに器用に笑えませんよねぇ。こんな時はこちらもハラハラしてお客様の顔色が気になったりします。

そうかと思えばとてもフレンドリーなカメラマンの方もいます。そんなカメラマンはお客様をのせるのも上手いのです。お客様は、何も言わなくてもとっても自然な笑顔です。ほんとにお見事です。こんな時はこちらもとても気持ちが楽です。通常2~3時間くらいで取材は終わります。「面白い経験だった。」なんてお客様に言っていただけると、ほんとうにほっとします。

お客様の協力無しに取材は成り立たないのですから、お客様には感謝!感謝!です。住宅雑誌の写真を見ながら、『あれ炊飯器がないぞ』とか『電話機がないぞ、きっと片づけたんだ。』なんてその舞台裏を想像してみる…そんな雑誌の見方も面白いと思います。先月取材を受けたお宅が、現在発売中の「婦人画報」8月号に掲載されています。もちろん設計も工事も弊社で行ったお宅です。よろしかったら是非ご覧下さい。「あれ?電話機が見当たらないぞ、きっと片付けたんだ!」ですって?「それは、ひ・み・つ です。」