2016年2月:【お薦めの本】

 みなさまこんにちは、渡邉です。

 最近はさすがに寒い日が続いています。テレビなどで伝えられる各地の雪の状況を見ていると、静岡に住んでいて寒いなんて言っていられないなとつくづく思います。

 さて、今月号の「ひげ日記」では、寒くて外に出たくない時などに、みなさまに読んでいただきたいお薦めの本を2冊ご紹介させて頂きたいと思います。

■エコハウスのウソ【追補改訂版】

 東京大学で省エネ住宅を研究する前真之准教授が、実証データやシミュレーション結果をもとに、一般ユーザーや住宅関係者が信じて疑わない“エコハウスの誤解”をQ&A形式で解答していきます。2012年の初版発行後に明らかになった新たな知見などを加え、2020年の「省エネ基準義務化」などについても解説しています。私は初版も購入して読みましたが、改訂版はかなり加筆されています。これから購入される方は【追補改訂版】の購入をお勧めします。

 全41のQの内からいくつかをご紹介させて頂きます。

 ・結局、住まいは夏を旨とすべし?
 ・温暖地は冬の朝も温暖?
 ・選ぶならハイパワーのエアコン?
 ・除湿は冷房よりもエコ?
 ・気密は息が詰まる?
 ・エアコンは暖房に向かない?
 ・省エネよりゼロエネ?
 ・目指せCO2削減?

 家づくりを考えている方はもちろんそうした予定の無い方にも超おすすめの一冊です。

■先生が語る 病気にならないための家づくり

 (一社)健康・省エネ住宅を推進する国民会議 編著医学、建築学分野の専門家の先生方が長年の調査・研究の結果などをもとに、住まいの温度や断熱性能と健康リスクの関係を解説した本です。

 第1章では、家族の健康のために、住まいはどうあるべきか 第2章、先生が語る、住まいの温度と健康リスク(慶応大学 伊香賀俊治教授)
 ・住まいの断熱性を高めるメリット(自治医大 苅尾七臣 主任教授)
 ・「仮面高血圧」を抑制するために(首都大学東京 星 旦二 名誉教授)
 ・住宅性能の向上で生活習慣病の予防を(近畿大学 岩前 篤 教授)
 ・室温の低下は健康状態に影響を及ぼす

 などとても分かりやすい内容です。(一財)建築環境・省エネルギー機構 理事長 村上周三氏はこの本のあとがきで、北海道を除き日本の住宅の断熱水準、暖房水準は低く、冬季の室内温度、特に寝室の早朝の温度が低いことが知られている。

 低い室内温度は循環器疾患をはじめとして様々の健康障害をもたらすことが、医学、建築学分野などの研究で近年明らかにされてきた。低温がもたらす健康障害の問題は一般国民には殆ど理解されていない。これが最も深刻な問題である。と記しています。

 またこの本の帯書きでは、元消費者庁長官 阿南 久氏は、本来、人命を守るためのものであるはずの住宅が健康を損ねる原因になってしまう…。この本を読んで多くの消費者に気付いてほしいですね。と寄せています。

 生活環境を見直すヒントも満載の本なので、家族の健康を守りたいお父さん・お母さんなど皆さんに読んでいただきたい1冊です。

■まとめ

 この本のほか弊社事務所には住宅に関するお薦めの本が沢山あります。ちょっと読んでみたいなど、こうした書籍に興味のある方はお気軽にご連絡ください。

 それではまた来月お会いしましょう。

㈱建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉泰敏