2023年11月:【『おひさまエコキュート』】
「おひさまエコキュ-ト」
皆さんこんにちは、渡邉です。11月に入り朝晩はすっかり冷え込むようになりましたが、日中は半袖でもよさそうな天気が続いています。日中と朝晩の気温差がかなりあります。また季節の変わり目なので皆さんも体調には気を付けて下さいね。
さて、今月は住宅の省エネの話です。省エネを考える時は、エネルギー消費量の多い部分を改善するのが効果的です。住宅でのエネルギー消費量は給湯が最も多く27.8%、続いて暖房で25.1%となっています(資源エネルギー庁:エネルギー白書2022より)。つまり「給湯」や「暖房」についての見直しが近道という事です。今回は「給湯」についてのお話です。
■エコキュート
空気の熱を利用してお湯を沸かす省エネ給湯器です。その仕組みを簡単に説明します。まず空気中の熱を集めてその熱を冷媒が運びます。その冷媒を圧縮してさらに高温にします。高温になった熱を水に伝えてお湯を作ります。冷媒を膨張させて温度を下げ、熱を吸収しやすい状態に戻します。「熱」は高い温度から低い温度に移動します。「冷媒」を暖めたり冷やしたりすることで「熱」を移動させて効率よくお湯を作っているのです。夜間の安い電気を使ってお湯を沸かすというのが基本です。現在、電気温水器をお使いの方はエコキュートに交換するだけで省エネになり光熱費も大幅に節約できます。
■おひさまエコキュート
おひさまエコキュートは、昼間に太陽光で発電した電力をメインに使用してエコキュートの沸き上げを行う自家消費型の新しいエコキュートです。ですから、自宅の屋根に太陽光発電設備がある方またはこれから新築をお考えの方向けの情報とはなりますが、現在最もコスパの良い方法なので、リフォームで太陽光発電+おひさまエコキュートを検討するのもかなりお勧めです。
電気代が高騰しています。そんな状況下では太陽光で発電した電気は売るより、自家消費して購入している電気を節約した方が得だという状況です。そうした背景もあり、2022年2月にダイキンが日本初の『おひさまエコキュート』の発売を開始しました。
通常のエコキュートは、夜間運転が基本で、夜50%以上沸き上げることになっています。これはタイムシフト等を行って昼間エコキュートを作動させても上限が50%ということです。しかし『おひさまエコキュート』は太陽光発電の余剰電力を使うため昼の沸き上げが50%以上とすることができるのです。
エコキュートはヒートポンプ式で大気中の熱を集めて熱エネルギーを給湯に利用するため、気温が高い昼間の方が効率よくお湯を沸かすことができます。
また、昼間沸き上げたお湯をその日の夜に使うため、保温時間も短くて済みます。
昼間の沸き上げ率は、JIS基準で計算するとおおよそ65~80%ほどです。設置費用は一般的なエコキュートと比較すると割高です。しかし、その省エネ性の高さと余剰電力を活かせることから、ランニングコストの差により数年でその価格差を回収できる見込みです。
東京電力管内なら太陽光発電+おひさまエコキュート専用のお得な料金プランもあり、省エネで考えてもコスパで考えても最強の給湯設備だと思います。現在、おひさまエコキュートは、ダイキン工業、パナソニック、三菱電機、コロナの4社から発売されています。
■最後に
新築をお考えの方は太陽光発電設備+おひさまエコキュートの組み合わせが最善だと思います。新築で無く、自宅の屋根などに太陽光発電設備を設置している方は、給湯機を取替えるタイミングやFIT(10年間の固定価格買取制度)終了のタイミング等で『おひさまエコキュート』への取替えを検討しましょう。新築はもちろん太陽光発電設備の設置やおひさまエコキュートについてなど、リフォームをお考えの方も分からない事やもっと詳しく知りたいなど何でも電話やメール、弊社HP等よりお気軽にお問い合せ下さい。
それではまた来月お会いしましょう。
株式会社建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉 泰敏