2018年7月:【第5次エネルギ-基本計画】

 皆さんこんにちは、気が付くと既に7月、今年も半分終わってしまいました。

 年をとると時間の経つのが早くてびっくりです。最近はずっと雨で、すっきりしない日が続いています。各地では大雨の被害が凄いことになっています。これ以上被害が拡大しなければ良いのですが。

 さて、今月号の「ひげ日記」は、「第5次エネルギー基本計画」と太陽光発電の「19年問題」から見えることについてお話させていただきます。

■第5次エネルギー基本計画

 政府は7月3日に「第5次エネルギー基本計画」を閣議決定しました。脱炭素化を目指し、その中で再生可能エネルギーを「日本の主力電源」とすることを初めて明記しました。

  そして、「住宅については、2020年までにハウスメーカー等が新築する注文戸建住宅の半数以上で、2030年までに新築住宅の平均でZEH(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現を目指す。

 なおその際、ZEHに不可欠な再生可能エネルギーの導入促進に係る施策との協調に留意しつつ、建材トップランナー制度も活用しながら、高性能建材の価格低減に向けた普及促進策を講ずることとする。」としています。

 さらに「電力コスト」についての資料もありました。2016年度時点で6.2兆円程度の電力コストを2030年度に9.2~9.5兆円見込み。となっています。電気代がおおよそ5割高くなるという試算です。総務庁統計局の家計調査データによると、2人以上世帯の2016年の電気代は年平均で月に10,100円となっています。これが、2030年にはおおよそ15,000円になるということです。

あと十数年で電気料金が5割も高くなるという予想です。

■19年問題

 2009年に始まった家庭の太陽光発電での余剰電力を10年間に渡り買い取る制度(FIT)が、もうすぐ10年を迎えます。
 この制度では太陽光で発電した電力はまず自分の家で消費し、余った電力を48円/kwhという高い価格での電力会社への買い取りを義務付けるという内容で開始しました。

 当時は高価だった太陽光発電設備も、高い値段で電気を買ってくれるということで、買い取り期間の10年以内には元がとれ、多くの住宅で太陽光発電が設置されました。再生可能エネルギーの比率は震災前の10%から2016年度には15%に増え一定の成果も収めています。

 ただ、買い取りにかかる費用は家庭や企業が使う電気代に上乗せして徴収するシステムのため、買い取り期間は10年という期間限定という条件がついていました。この期限の10年を迎える家庭は2019年だけでおおよそ53万件、2023年までには160万件に達します。住宅一戸一戸の発電能力は小さいものの、その総計は約700万kwとなり、なんと大型の原子力発電所7基分の電力となります。

 買い取り開始から10年が経過すると電力会社の買取義務は無くなります。まずは昼間にエコキュートでお湯を沸かす「ソーラーチャージ」などを使って昼間の電力消費量を増やすのが良いと思います。

 そのうえで選択肢は以下の3つです。

①何もせずタダで電力会社に電気を流す

②10円程度(電力会社の買取価格は現在未定ですが、10円で購入表明している会社もあります。)の価格で売電を続ける

③余った電力を蓄電池や電気自動車等にためて自分の家で夜間等に使う。

■まとめ

エネルギー基本計画によると、2030年までに新築住宅のほぼすべてをZEHとするため、今後もZEHに対する各種補助事業や優遇等が継続的に続くと読み取れます。

 また「19年問題」で買い取り期間の終わった方へのおすすめは③の余った電力を蓄電池や電気自動車にためて夜間に使うだと思います。

 蓄電池の値段はまだまだ高いので、可能なら奥様の車などを中古になっても売却しやすい、電気自動車にするという方法が良いと思います。  現在弊社で新築していただけるお客様には太陽光発電設備を実質無料で設置可能な方法もいくつか紹介させていただいております。

今後の電気料金の値上げを考えるとますます太陽光発電設備の設置は普及していくと思います。興味のある方はお気軽に弊社までお問合せください。

それではまた来月お会いしましょう。

㈱建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉泰敏