2024年05月:【「賃貸か持ち家かの最終結論」】
皆さまこんにちは、渡邉です。皆さまの会社はゴールデンウイークのお休みは何日間ですか?長い会社ですと4/27(土)~5/6(月)までの10日間も休みという会社もあるようです。
弊社は暦通りで4/27~29、5/3~6がお休みです。
さて今月号のひげ日記は、リクルート住まい研究所所長や大東建託賃貸未来研究所長として、長年「住みごこちランキング」に携わってきた麗澤大学教授の宗健(そう・たけし)さんの「どんなにマンションが高騰しても家は買った方がいい」大学教授が示す”賃貸か持ち家か“の最終結論をPRESIDENT Onlineの記事を元にみなさまに紹介させて頂きます。
■買えるのなら買った方がいい
「持ち家vs賃貸」の記事は、住宅情報サイトだけでなく、さまざまなウエブサイトでPVが稼げる鉄板記事のようだが、その多くは、「持ち家か賃貸かは、その人のライフスタイルによる」という曖昧な結論で締めくくられていることが多い。
しかし、世の中の実態を見ると2018年の住宅・土地統計調査によれば、持ち家率は全年齢対象で61%と持ち家派が過半数を占める。ただし、持ち家率は年齢によって大きく違い、20歳代では6.4%と低いが、30歳代で35.7%と一気に上がり、40歳代で57.6%と過半数に達し、50歳代で67.6%と2/3を超え、60歳以上では79.8%となっている。身もふたもない言い方になるが、家を買うべき理由の第一は「みんなが買っているから」なのだ。
住宅金融支援機構の「住宅ローン利用予定者調査(2023年10月調査)」によれば、住宅取得動機は、20歳代・30歳代では「子どもや家族のため、家を持ちたい」「結婚、出産を機に家を持ちたい」が多いが、50歳代・60歳代では「老後の安心のため、家を持ちたい」が最多になる。実際、高齢者が民間賃貸住宅を借りにくいことが問題となって、国もさまざまな政策に取り組んでいるが、家主からすれば賃借人が死亡した場合には、状況によっては告知義務が発生したり、多額の現状回復コストがかかるおそれがある。
■年金制度では高齢時の家賃は考慮されていない
だからこそ、家の購入理由に「老後の安心のため」という理由が出てくるのだ。
実は国民年金も厚生年金も日本の年金制度は、高齢時の家賃が考慮されていない。
厚生労働省の「令和5年版わたしの年金とみんなの年金」という資料では、標準的な65歳夫婦の生活費が月額24万円とされているうち、住居費はわすか約1.4万円となっている。生活費の項目には、食費・光熱費・衣類・保険医療・通信交通費・教育教養娯楽・その他という項目があり、これらは平均でも大きな問題はないだろうが、住居費は持ち家と賃貸で大きく違い平均値を用いるのは適切ではない。
住居費平均1.4万円というのは8割が持ち家、という前提なのだ。持ち家の住宅ローン金利は低いし、固定資産税も相続税も優遇されていて、住宅ローン減税まである。賃貸は固定資産税も払わなくて良いし、エアコンが壊れてもそれは家主の負担だと言う人もいるが、それはそういった名目で請求されないだけで、家賃にはそうしたコストがちゃんとはいっている。
こうしたことを考えれば、原理的に賃貸の方が持ち家よりも経済的に有利になるということはあり得ない。唯一の例外は公営住宅だが、公営住宅は家賃を安くするために税金が投入されている。簡単に言えば、公営住宅は行政が赤字で貸しているということで、これは所得の再配分という目的があり、だからこそ所得制限があるわけだ。
マンションと戸建てを維持費を含めて比較すると、マンションには駐車場と管理費が別に必要で、それらが必要無い戸建ては、大まかにいって1000万円くらい予算を上乗せしても、結局毎月の負担はあまり変わらないこともあることは付記しておきたい。
■さいごに
年金制度で家賃が考慮されていないのには驚きましたが、この記事はとても分かり易く、納得しながら読ませて頂きました。皆さんはいかがでしたか?今回は紙面の関係で、残念ながら一部の紹介となっています。紹介した内容の他にも、住宅ローンの借り方や中古住宅の購入についての記載などもあります。興味のある方は下記のQRコードより記事をご覧下さい。家づくりに関することはギモンでも質問でも、気軽に弊社までお問合せ下さい。
それではまた、来月お会いしましょう。
㈱建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉 泰敏