2024年06月:【「富士山ハザ-ドマップ改定」】
皆さん、こんにちは渡邉です。天気が良いと日中はかなり暑い日が続いています。朝、着替える時にワイシャツを長袖にするか、半袖にするか悩むことが多くなってきました。
さて最近色々と話題の富士山。例えば、コンビニ店の上に富士山がのっているような光景に外国人観光客が殺到したことを受け、山梨県富士河口湖町の「ローソン河口湖駅前店」前に設置された幕に、1センチ大の穴が複数開けられていたというニュースや、富士市でも蓼原にある国道139号の「富士山夢の大橋」が、SNS映えする富士山写真のスポットとして人気を集め、連日多くの外国人観光客が詰めかけている。など富士山撮影スポットの情報が連日テレビ等を賑わしています。
富士山繋がりのついでという訳ではありませんが、今月号の「ひげ日記」は富士山噴火について考えたいと思います。平成16年に富士山ハザードマップが作成されて以降、様々な研究により富士山の噴火履歴に関する新しい知見が確認され、実績火口の位置や噴出物の量に関し被害想定を見直す必要性が高まり令和3年3月に新しいハザードマップ(改訂版)が公表されました。
それを受けて令和3年11月にロゼシアターで富士山ハザードマップ住民説明会も開催されました。そして令和6年3月に富士市防災マップ(保存版)や富士市富士山火山避難計画も発表されました。
■現在の富士市の火山防災対策と今後の動き
新しいハザードマップで変わった点は次の3点です
1.溶岩流の到達可能性範囲が広がった→市内のほぼ全域
2.溶岩流の到達可能性時間が早まった
3.融雪型火山泥流が到達する可能性のある範囲がより遠くまで広がった
※避難の方法は地震や風水害とは異なり原則自家用車での避難です。
※富士市・富士宮市の方が避難する方向は西への避難です(県中部・西部)
<危険性が高いエリアにお住まいの方から順番に避難>
・第1次避難対象エリア (避難時期が最も早い)火口ができる可能性がある
避難時期は噴火前(レベル3)
吉永北地区の一部
・第2次避難対象エリア 溶岩流が3時間で到達する可能性がある
避難時期は噴火前(レベル4~5)
大淵・吉永北地区の一部
・第3次避難対象エリア 溶岩流が24時間程度で到達する可能性がある
避難時期は噴火後(要支援者は噴火前)(レベル5拡大)
神戸・富士見台・青葉台・原田地区他多くの地区
・第4次A避難対象エリア 1週間程度で溶岩が到達する可能性がある
避難時期は噴火後レベル5の状態から、さらに噴火が拡大した場合
広見・伝法・丘・天間地区他多数
・第4次B避難対象エリア 40日程度で溶岩が到達する可能性がある
避難時期は噴火後の状態から、さらに噴火が拡大した場合
富士駅北・富士北・岩松・田子浦地区他多数
■富士山の火山防災体制について
1.気象庁は噴火の前兆を捉えて噴火警報などを的確に発表するため、富士山周辺の観測施設を利用し、火山活動を24時間体制で監視しています。
2.気象庁は噴火警報・予報を発表し、火山活動の状況に応じて「警戒が必要な範囲(生命に危険を及ぼす範範囲)」と防災機関や住民等の「とるべき防災対応」を5段階に区分した指標(「噴火警戒レベル」という)を示して警戒を呼びかけます。
3.噴火警報等は、報道機関・都道府県・市町村等を通じて、防災無線やテレビ、ラジオ、SNS,スマートフォンのアプリ等によち住民、登山者及び観光客などにお知らせします。
■さいごに
今回富士山の噴火についていろいろな情報や資料を見てみましたが、本当に富士山噴火の前に予知が可能なのでしょうか?
静岡県のHPに掲載されている富士山ハザードマップ(改訂版)ですが令和3年3月改定の資料なので、富士市のHPに掲載されている令和6年3月の情報とは多少の違いがあります。
また、今回紹介した溶岩流による避難の場合以外にも融雪型火山泥流(山の上につもった雪が噴火の熱で一気に溶け、土や砂などを巻きこんで、ながれ出すこと)、降灰・小さな噴石、降灰後土石流の場合などいろいろなパターンが考えられます。
いずれにせよ、ご自分のお住まいの地区にどの程度のリスクがあるのかは、下記リンクをクリックして確認してみてください。
それではまた、来月お会いしましょう。
㈱建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉泰敏