2012年10月:【太陽光発電設備について考える】
皆さんこんにちは、渡邉です。10月だというのにまだまだ暑い日が続いていますが、朝晩はずいぶん涼しくなりました。季節の変わり目は体調を崩しやすいので風邪などひかぬよう十分注意してください。
さて、今月号のひげ日記では、太陽光発電について書いてみたいと思います。
■快適で省エネな住まいを考える順序
皆さんもご存知のように、太陽光発電設備は自然エネルギ-(再生可能エネルギ-)を活用したエコな設備です。しかし、弊社ではいままで積極的に太陽光発電の設置を推奨することはしていませんでした。
理由はいくつかありますが、たとえば太陽光発電設備の設置は省エネ(創エネ)ではありますが、太陽光発電設備を設置しても住まいの快適性は向上しないからです。私が皆様にお勧めしたいエコハウスは、快適で省エネなエコハウスです。住宅の基本性能が低いまま、太陽光発電設備に大切なお金を掛けて「なんちゃって省エネ住宅」にしても快適な住まいなどできません。
快適な住まいをつくるためには、住宅の基本性能である断熱性能・気密性能(もちろん耐震性能も大切です)を高め、パッシブデザインによる設計を行う事が大切です。
その上で、給湯エネルギ-(住宅のエネルギ-消費量のおおよそ1/3を占める)の削減のための工夫(給湯器、配管、節湯機器などの検討・太陽熱利用の可能性)や適切な暖冷房計画(住宅のエネルギー消費量のおおよそ1/4を占める)・照明計画等を行う。そうした順序で家づくりを考えることで、我慢して省エネなどではなく、快適で健康的な本当の省エネ住宅ができるのです。
大切なのは太陽光発電のような創エネ機器が無くてもエネルギ-消費量の少ない住宅とすることなのです。そして、更に予算に余裕がある場合にかぎり、太陽光発電をお勧めしていました。
■10年以内に元が取れる⁉
しかし、最近はちょっと状況が変わってきました。太陽光発電設備の設置費用と余剰電力の買取価格、各種補助金のバランスが現在非常に良いのです。例えば本年度(来年3月まで)の余剰電力買取価格は42円/kw(買っている電気料金のおおよそ2倍で買い取ってくれ、10年間この価格での買い取りが保証されています)。
さらに国だけでなく静岡県や市町村(市町村によります)の補助金制度も充実し、太陽光発電設備の設置費用も大きく下がってきました。もちろん屋根の向きや大きさ、昼間の電力消費量等にもよりますが、太陽光発電設備の設置費用を全額借入でまかなった場合でも、固定価格買い取り期間の10年以内で元が取れるというケ-スが沢山出てきたのです。
来年度になれば太陽光発電設備の価格は更に下がるのかもしれません。また、元が取れるから設置するという事ではないのかもしれませんが、今後、余剰電力の買取価格が本年度より高くなることは考えにくく、もし買取価格が下がってしまうと元が取りにくくなってしまうという現実もあります。
家づくりを考える順序は今までと全く変わっていませんが、“資金に余裕がある場合のみお勧めする”から、“借入を増やす事を視野に入れても検討する”に変わってきたということなのです。リフォ-ムをお考えの方やあまり考えで無かった方の場合でも、自宅の屋根に太陽の光が沢山あたっているという場合は、この機会に太陽光発電設備の設置について検討してみては如何でしょうか?
おおよその発電量や月々の収支予想、借入の場合の金利を含めた各種シミュレ-ションは弊社にて無料でさせて頂いております。興味のある方はこの機会を逃さず、お気軽に弊社までお問い合わせ下さい。
それでは、また来月お会いしましょう。
㈱建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉泰敏