2013年5月:【地震保険料率改定】
皆さんこんにちは、渡邉です。GWももうすぐ終わりですが、皆様いかがお過ごしですか?会社によっては10連休という所もあるようですが、今年は暦どおりという会社が多かったようですね。
さて、本年3月26日に損害保険料率算出機構(以下「機構」)が金融庁に地震保険の保険料改定の届出を行いました。今月号の「ひげ日記」ではこの地震保険について考えてみたいと思います 。
■地震保険とは
地震保険とは住宅などの居住用建物や家財を対象とした保険です。地震による被害は一般に火災保険に加入しただけでは補償されないと言うことはご存知の方も多いと思いますが、地震だけでなく、富士山などの噴火や津波が原因で被った被害も地震保険に加入していなければ補償されません。
また地震保険はそれ単独では加入することができず、必ず火災保険とあわせて加入することとなっています。
さらに地震保険の保険金額は火災保険の保険金額の30~50%で設定するというルールもあります。地震は通常の火災などと違い、被害が広範囲に及ぶ可能性があるため、民間の保険会社だけでなく政府が再保険を引き受けるかたちでなりたっています。つまり保険会社と政府が分担して補償する仕組みになっているということです。
■今回届け出の主な内容
政府の調査機関である地震調査研究推進本部による震源モデルの見直しなどを踏まえ、機構が将来の地震の危険度に基づき料率を見直した結果、保険料は全体平均で+15.5%引き上げられています。
また、これまでの被害実態などから、建物の地震の揺れに対する被害の関係を再評価した結果、耐震性能によっては現行の割引率以上の格差があったことが明らかになり、割引率の見直しも行われます。
具体的には免震または耐震等級3の建物は現行の30%引き→50%引き、耐震等級2の建物は現行20%引き→30%引きへ割引率を拡大します。
■改定の時期について
保険料改定の内容は今後金融庁の審査(最大90日)を経て正式に決定されるということです。実際には、届出内容が正式に決定した後に、地震保険を取り扱う損害保険会社が認可を申請するため、実施時期については現在のところ未定(来年の7月頃?)ということです。
■改定後の地震保険の金額について(静岡県の場合)
地震保険は都道府県ごとに地震保険料率が定められており、静岡県はもっとも料率が高いグループとなっています。地震保険金額1,000万円、保険期間1年で比較してみます。一般の木造住宅で割引なしの場合は現行31,300円/年が改定後32,600円/年。耐震等級3の場合は現行の21,900円/年が改定後16,300円/年となります。改定後その差は、16,300円/年。10年間で163,000円。20年間だと326,000円と、とても大きな差になります。
■省令準耐火+耐震等級3
今回は地震保険のお話なので一般の火災保険の説明は割愛させていただきますが、木造でも省令準耐火構造+耐震等級3で住宅を建築することをお勧めします。例えばあいおいニッセイ同和損保、マイホームピタットワイドプランで比較してみます。
火災保険金額2,500万円、保険期間35年の一括払い、地震保険は1,250万円、年払い×35年の場合です。一般の木造住宅で割引無しの場合は総額2,557,000円。省令準耐火構造+耐震等級3の場合は952,875円。その差はなんと1,604,125円となります。詳しいことが知りたい方は弊社までお気軽にお問い合わせ下さい。
■さいごに
省エネ住宅に興味のある方にご案内です。躯体・設備の省エネ性能の向上、再生可能エネルギーの活用等によって、 年間での一次エネルギー消費量が正味(ネット)で概ねゼロとなる住宅として 「建築工房ゼロエネルギー住宅プロジェクト」が国土交通省の「住宅のゼロ・エネルギ-化推進事業」に採択されました。この住宅の構造見学会を5月の25日(土)、26日(日)に富士市今泉で開催いたします。
ゼロエネルギー住宅と言うと一般的には、大きな太陽光発電パネルが載っているイメージを思い浮かべる方が多いと思います。しかしこのお宅の太陽光パネルはわずか3.2kw。高効率のエアコンは設置しますが、断熱をはじめその他の仕様はほぼ弊社の標準仕様です。このお宅の交付申請書を見ると、ゼロエネルギーどころかエネルギー消費量はマイナス9.5GJ(ギガジュール)/年。エネルギー削減率は標準的な住宅と比べなんと124.4%となっています。興味のある方は挟み込みの資料をご覧の上、是非見学会場にご来場ください。
※「建築工房ゼロエネルギー住宅プロジェクトの家」 構造現場見学会
それでは また来月お会いしましょう。
㈱建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉泰敏