2024年09月:【『木造住宅の安全確保方策マニュアル』】
みなさんこんにちは、渡邉です。
毎日台風のニュースばかりですが、暑さもだいぶ和らぎ、過ごしやすい日々となりました。
さて、国土交通省住宅局は8月23日木造住宅の居住者を地震のリスクから守るため「木造住宅の安全確保方策マニュアル」を公開しました。震災時に木造住宅の居住者の命を守るためには、原則として住宅の耐震化を行うことが望まれますが、高齢化や資力不足などの理由により、本格的な耐震改修が実施できない場合も想定されます。
そこで同省は、木造住宅耐震改修について幅広く検討するための有識者検討会を設置し本マニュアルを作成しました。9月1日は防災の日ということもあり、今月の「ひげ日記」はこのマニュアルをみなさまにご紹介させていただきます。
◆マニュアルの基本的な考え方・主な内容
1.住宅の耐震化の必要性を所有者に理解してもらい、意識の向上を図ることが重要。
2.専門家による耐震診断を行い、住宅の耐震性や危険性を確認すること。
3.耐震診断の結果、倒壊の危険性があると判断された場合は、耐震改修を行い住宅の耐震性を確保することが原則。
4.耐震改修が難しい場合でも緊急的な対応策を講じること。
5.日頃からの災害への備え
◆支援制度等の紹介
1.補助金:計画策定や普及啓発、耐震診断、補強計画、耐震改修等
2.融資:耐震改修に必要な資金に対する 融資
3.税制の特例措置:所得税等の特別控除、固定資産税の減税措置などいろいろな制度が有ります。
詳しくはお住まいの市町村等にお問合せください。
富士市では、昭和56年5月31日以前に建築された一戸建て木造住宅の場合、わが家の専門家診断に申し込めば無料で耐震診断、さらに前提条件はありますが耐震補強工事で100万円(高齢者世帯等は120万円)等の補助制度もあります。
◆さいごに
昭和56年以前に建築された建物は、建築基準法に定める耐震基準が強化される前の、いわゆる「旧耐震基準」によって建築され、耐震性が不十分なものが多く存在しています。そうした方は、是非専門家による耐震診断を行って下さい。
そして最終的には住宅全体を耐震改修するのが望ましいのですが、当面の措置として主たる居室(LDKや子供部屋等)や寝室の構造部分のみの補強、瓦屋根を金属屋根にする等の屋根の軽量化などでも安全性は高まります。
また、構造部分等の改修工事までは行わず、命を守るための耐震ベッドや耐震テーブルといった家具等の導入。
耐震改修を行わずに万が一、建物が倒壊したとしても、地震からのリスクを軽減するため、2階建ての場合、2階を主たる居室や寝室にするなど、住まい方を工夫する。日頃からの防災の備えとして、家具の転倒防止、ガラスの飛散防止、感震ブレーカー(地震時に電気を自動的に止めるブレーカー)の設置、自動消火機能付きコンロの設置などをおこなう。
いざという時の備えとして、防災備蓄の確保、避難袋の用意、家族での避難場所や連絡手段の確認などの災害への備えをおこなう。
すべての準備は無理だとしても、できることから少しづつ備えていただきたいと思います。
今回ご紹介したマニュアルは「木造住宅の安全確保方策マニュアル」で検索して頂けば、すぐに見つかりPDF版をダウンロードできます。全50ページ弱とたっぷりの資料ですが、是非ご覧ください。
弊社には木造耐震診断資格者、木造住宅の耐震改修技術者のほか、静岡県耐震診断補強相談士の認定者もおります。耐震診断や耐震補強、市町村等の補助金についてなど耐震関連に関する事は元より、家づくに関ることは、どんな事でもお気軽に弊社までお問合せ下さい。
それではまた来月、お会いしましょう。
株式会社建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉 泰敏